ひとり起業では人目が気になるは武器になる

「私はあの人みたいにすごくないから…」「家族や友人はどんな反応をするだろうか…」起業という生き方に興味を持ちつつも、心の片隅で「私は本当にそんなことを達成できると本気で思っているのかな?馬鹿なんじゃないだろうか」そんな自己否定にさいなまれ、なかなか一歩を踏み出せないでいる方もいらっしゃると思います。
そんな、自分で自分を認められないでいる方のことを、私は「人目気にしいさん」と呼んでいます。しかし、「人目気にしいさんだから、起業なんて無理だ」と思うのは違います。むしろ、人からどう見られるかを気にしやすい人は、ひとり起業するにあたってそれが武器になることもあります。今回は、その理由をお伝えします。
人にどう見られるかというよりもどう見せるか
先日、コミュニケーションの研修講師の方と初対面でお会いする機会がありました。名刺交換の際、私の「人目気にしいさん起業」というコンセプトを見て、その方は次のようにおっしゃいました。
「人の目を気にする人の方が、起業に向いているってこともありますよね。よく、”自分が自分が”となっていて、思わず”もう少し人の目を気にしたらいいのに”と思うような人にお会いすることもありますが、それではうまくいかないですもんね。」
個人事業は一見、1人でできる仕事のように思いがちですが、実際には「人が仕事を連れてくる」という考え方が常識となっています。そして企業がバックにある場合と比べ信用が得られにくい個人事業にとって、信頼を担保するのはその人となりが中心となります。つまり、人からどう見られるかを意識し、人から信頼されるふるまいを選べる人でなければ難しいのです。
しかしここで、「なんだ、人目気にしいさんでいいんだ」と思うのは少し待ってください。「人から信頼されるふるまいを”選べる”」というのがミソです。先ほどのコミュニケーション講師の方は、次のようにもおっしゃいました。
「私は、人にどう見られるかというよりも、どう見せるかをいつも考えています。」ただ「人からどう見られるか」を意識しているだけでは、”自分が自分が”と言っている人と大差はなく、1人よがりに終わってしまいます。その周囲に敏感なセンサーを活かし、気遣いを伴うサービス精神にまで磨き上げていくことが求められるのです。
その才能を強みにまで磨けるか
ところであなたは、「才能(資質)」と「強み」の違いをご存知ですか?コーチングにおいてもよく用いられる才能発見ツール「ストレングスファインダー(R)」では、それらを明確に分けています。
「才能(資質)」とは、「傾向性=自分に固有の思考や行動の反応パターン」であり、言ってみればまだ”芽”のような状態です。それを「日々の仕事や人間関係の中で、意識して効果的生産的に」使い、”花”まで育てて初めて「強み」と言えるのです。言い換えれば、どんな才能も強みとして発揮できるように、育てる必要があるのです。
人目気にしいさんには、間違いなく「周囲に敏感なセンサー」が備わっています。これは立派な才能といえます。しかし、これを「気遣い」や「サービス精神」、ひいては「信頼されるふるまい」という強みにまで磨き上げられるかはその人の意識と努力にかかっています。
安心してください。きっとこれを読んでくださっているあなたは今日からどんどん強みへと変えていけるはずです。なぜなら、人間は物事をぼんやり認識しているのと、はっきりと意識するのとではまったく違ってくるからです。
今日、あなたは自分の才能にはっきりと気がついた。今まで、ぼんやりとは分かっていたかもしれません。でも、これこそあなたが、これから自分の挑戦したいことに向かっていくときの武器になるということをここではっきりと意識してください。
いかがでしょうか?せっかく持ち合わせている才能を、弱みではなく強みだと感じられるくらいに磨いてくださいね。
Open Heart Question
強みまで磨ける可能性のあるあなたの才能はなんですか?
*参考:「ストレングスファインダーⓇについて | ストレングス・ラボ」
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