ついやりがちな遠まわし表現を避けるための単純2ステップ
人にはっきりと意見が言えない。
質問や心配なことがあっても曖昧にしてしまう。
そんな悩みがありませんか?
人の目が気になる”人目気にしいさん”は、先回りして相手の反応を想定します。
「はっきり言ったら相手が傷つくかも…」
「こんな質問したら、”そんなこと聞かなくても分かるでしょ”と思われるかも…」
そんな風に考えて、遠まわしに伝えようとしてしまいます。
しかし、曖昧な表現を使っていると、真意が伝わらなかったり、どんどん相手のペースに巻き込まれてしまったりします。
そこで今回は、はっきりと言いたいことを伝えるためのコツをお伝えします。
ポイントは2つ。
1.事実を述べて
2.バトンを渡す
これだけです。
たとえば、こんなことがありました。
私がコーチングを学んだ「ライフコーチワールド(LCW)」でのトレーニング中のひとコマ。
レクチャー中、私は部屋が少し寒いなと感じました。
そして、代表の林コーチにエアコンの温度を上げてもらおうとして、こう言いました。
「林さん、少し寒いかもしれない…」
「ああ、そう?」
林さんはすぐにエアコンの温度を上げてくれました。
でも、一拍あってからこう言われました。
「今の、”寒いかもしれない”っていうのは不思議な表現だよね。」
たしかに…。
寒いと感じているのは私自身なのに、「かもしれない」ってなんだ、「かもしれない」って!
しかも、「エアコンの温度を上げてほしい」という要求は言わずに、あたかも察してくれと言わんばかりの言い草!
無意識のうちにそうした無用な遠まわし表現を使っている自分に気付かされました。
本当はどう言うのが自然な表現だったんだろう?と考えました。
おそらく、「林さん、少し寒いです。エアコンの温度上げてもらえますか?」
そんな感じでしょうか。
これは、
1.「私が寒いと感じている」という事実を述べて、
2.林さん、お願いします!とバトンを渡す。
この二つの構成になっています。
1の部分は事実だけを述べればいいんです。
「かもしれない」とか余計な遠回し表現は必要ありません。
ここを曖昧にすると、何が言いたいのかよく分からなくなります。
人目気にしいさんは、ともすると「私の気持ちを押し付けていないだろうか…?」と心配になりがちです。
ピンと来ていないかもしれませんが、観念的な'”気持ち”であっても、「私がそう感じた」というのは「事実」なんです。
だから、押し付ける必要はなくて、ただ事実を述べればいいんです。
「私はこう感じました」と。
そして、それだけだと受け取った相手は「それで?」となってしまいます。
だから、先ほどの2で紹介したように、セットにしてバトンを渡してあげればいいんです。
「私は〜と感じました(事実)。あなたはどう思いますか?(バトン)」
「今のところは分かりませんでした(事実)。もう一度詳しく説明してもらえますか?(バトン)」
たとえばこれが、
「もしかしたら私の理解力が悪いせいだったらすみません…。
今のところはちょっと分からなかった気がするんですが…。
もう一度詳しく説明してもらえますか?」
だとどうでしょうか?
「そんなそんな、こちらの説明の仕方も分かりにくくてすみません………それで、何でしたっけ?」
となってしまいます(笑)。
あながち極端な例ではありません。
また、1は事実を述べればいいだけと言いました。
対して、2のバトンを渡す部分では、相手が受け取りやすいように渡し方を工夫することができます。
「〜しろよ!」
よりは、
「〜してもらえますか?」
の方が受け取りやすいのは明らかでしょう。
でも、いくらこっちが優しく渡したって、受け取ってもらえる保証はありません。
バトンを渡したら、そのバトンをどうするかは相手の判断。
こちらが決められることではないです。
もしかしたら、渡したバトンを放り投げられるかも?
渡したバトンで頭をコツンとやられるかも?
相手がどうするかについて、そんな想定をいくら考えたって無意味です。
心配したところで何かが変わるわけじゃないですから。
こちらができることとしては二つ。
1.事実を述べて
2.バトンを渡す
とってもシンプルです。
いかがでしょうか?
しっかり意見を伝えるのが苦手な方は、ぜひ意識してみてくださいね。
◇◆オープンハートクエスチョン◆◇
相手に伝えたい気持ちを、「私は~と感じた」という事実で言いあらわすとどうなりますか?
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