80歳のおばあちゃんから学んだ”ぼやっとした関心”を”打ち込めること”まで育てるコツ
「好きなことが分からない」とか、「自分が何に打ち込むべきか分からない」という声をよく聞きます。
私もそうでしたから気持ちは痛いほど分かります。
でももしかしたら、そう口にする人も本当は「まったく分からない」わけではないのかもしれません。
私の経験では、好きなことはいきなり明確になっているわけではなくて、初めはぼんやりとした”領域への関心”として表れます。
そこに釣り糸を垂らして、たぐってみて初めて出会えるものなのかもしれません。
以前証券会社の営業をやっていたとき、担当顧客の一人に80代のおばあちゃんがいました。
そのおばあちゃんは、年齢を感じさせない元気はつらつとした人でした。
話を聞いてみると、趣味で文章を書いているのだと言います。
60歳くらいから書き始めて、キャリア20年以上。私は尊敬の念を抱きました。
そして、おばあちゃんからこんな一言を聞きました。
「私、人間が好きなのよ。景色の描写を書くのはあまり気が乗らないんだけど、人間の複雑な感情を観察して書くのは楽しくて仕方ないの。」
これを聞いて、私はとても驚きました。
常々私も、心の中で「人間が好き」と思っていたからです。
きれいな部分だけではなくて、嫉妬や恐れ、あきらめ。そういうのも含めて人間が好き。
そんなことを考えていました。
でも、「人間が好き」なんて言ったら人から変に思われるかなと、心の中に留めてきた想いでした。
それをこの人は、堂々と公言して、文章に表現している。うらやましく思いました。
おばあちゃんと私は60歳くらい年齢が離れていましたが、すぐに意気投合することができました。
とてもエキサイティングな体験でした。
私はこれをきっかけに、自分は「人間が好きなんだ」ということを強烈に意識するようになりました。
そして、この漠然としつつも強い関心をどう消化すればいいかについて、アンテナを張って考えるようになりました。
しばらくしていま仕事にしているコーチングと出会ったときには、やっと自分の関心を満たしてくれるものと出会えたと感じました。
もし今、何に取り組めばいいか分からない方でも、どこにあたりをつければいいかくらいは案外気づいているものです。
でも、恥ずかしいとか、取るに足らないといった決めつけで否定してしまっているのかもしれません。
「妙に気になる」という漠然とした感情が湧いたときには、ぜひ素直にその糸をたどってみてください。
その先に、自分を満たしてくれる強い関心が隠れているのではないでしょうか。
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