好きなことが見つかる理由はラッキーだからではない
いま、新潟へ旅行に来ています(^-^)
訪れたのは、金属加工の集積地である「燕三条」という地域。
私はかねてからガラス食器が好きなのですが、実はスプーンやフォークといったカトラリーにも興味があるんです。
燕三条はカトラリーも有名な地域。燕市産業史料館には、世界のスプーンコレクションが展示されていると聞いて、ワクワクしながら行ってみました。
見てくださいっ!
これ全部、世界各国の、いろんな年代のスプーンたちなんですよ!!
はあ〜これも!!
素敵だあ…(*´ω`*)
というわけで、大満足でした。
…はい、それで本題です(笑)。
この大量のスプーンたちは、ある人の趣味で集められました。
伊藤豊成さんという、医者で画家の方です。
伊藤さんは45歳のとき、買い物中に見かけたある2本のスプーンに魅せられてから、2001年に86歳で永眠されるまでスプーンの収集と研究に人生を費やしました。
私と一緒に来た人が、伊藤さんの一生を知って、一言。
「生涯かけて夢中になれるものが見つかるって、ラッキーだよね。」
私は、その言葉に少し違和感を感じました。
まあ、確かにラッキーだったのかもしれない。
でも、伊藤さんの好きなものとの出会いは、ラッキーでは済まされないもののような感じがして、一人で考えていました。
伊藤氏が生涯をかけたいほど好きなことを見つけた経緯
伊藤さんがスプーン収集をするきっかけになったのは、ある2本のスプーンです。
銀座のデパートに飾られていた展示品のそれに惹きこまれ、店員に頼み込んで譲ってもらうところから始まります。
きっと、同じように買い物していても、そのスプーンを見て素通りする人の方が圧倒的に多いでしょう。
たとえスプーンに目が留まって気になったとしても、何もせずにスルーしてしまう人の方が多いと思います。
だから、これは伊藤さんの「アンテナの高さ」と「行動力」の賜物だと言わざるを得ません。
さらに、その後順調にスプーンを収集していった伊藤さんは、自分のコレクションを鑑定してもらっても、その多くが「いつ、どこで作られたものなのか」分からないという課題に直面します。
そのとき、伊藤さんはどうしたか?
自らヨーロッパに留学し、スプーンの特徴から年代や国など特定できるよう研究することにしたんです。そのことには、家族の理解も必要だったようです。
”ラッキー”のおかげと思っている限り好きなことは見つからない
ソフトバンクの孫正義氏の言葉に、「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる」というのがあります。
伊藤さんは、スプーンの山を登ると決めて、86歳まで登り続けました。
何かを決断するというのは、他の選択肢を捨てるということです。
自分以外、誰もスプーンの山を登ろうとする人がいない中で、それを登ると決めた「決断力」。
これも、ラッキーという言葉では済まされない能力です。
「あなたは好きなものに出会えて幸せだね」と、好きなものが見つからないと嘆く大人はよく言いがちです。
でも、好きなことが見つかる過程というのは決してラッキーだけで済まされる現象ではないということがよく分かります。
周りのものに好奇心を持つ「アンテナの高さ」、一歩踏み出してみる「行動力」、その山を登ると決める「決断力」。
好きなことを見つけるのがラッキーのなせる業だと思っている限り、一生見つかることはないのではないでしょうか。
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