人目が気になって視点が懲り固まったときに効く哲学的思考のススメ

人の目が気になってしまうとき、自分や目の前のことしか見えなくなって、視点が凝り固まってしまっているのかもしれません。難しく考える必要はないけど、たまには哲学的な気分に浸ってみるのも、視界が広がっていいですよ。
今ベストセラーになっている、『漫画 君たちはどう生きるか』(原作:吉野源三郎/漫画:羽賀翔一、マガジンハウス)を読んでみました。お恥ずかしい話、これまで原作を知りませんでした。
普段あまり漫画は読まないのですが、ちょうど肩の力を抜いて読めるものが読みたい気分で、おそらく大好きなテーマだし、流行は押さえておこうと思い手に取りました。そしたらけっこう人目気にしいさんの悩みにも役立ちそうな考え方があるなと感じたので、今回はそんな話をしたいと思います。
結局はみんな分子
この本の冒頭に出てくるエピソードは、主人公のコペル君がふと次のように感じ取るところから始まります。「人間は水の分子みたいなものなのかもしれない」と。この世の物質は、分解していくと目に見えない分子で構成されています。つまり、私も、あなたも、究極には分子だという意味において一つなのです。
人間は、あの人より上とか下といったマウンティング的な考えをとかくしたがります。また、自分と違うといって偏見や差別的な考えもはびこっています。そんな風に争ったり憎しみあったりしていても、「結局はみんな分子なんだ」って思うと、なんだか笑っちゃうなと感じませんか?
人の目を気にしてしまうのだって、自分と周囲の人が別のものだと信じているから起こる現象なのであって、人も自分も結局分子なんだと思ったら、なんのこっちゃ、不思議な感覚になります。いかに自分が偏った見方をしているのかに気づかせてくれます。
偏った見方ということで言うと、宇宙の話もこうした偏った見方から解放してくれます。家族や会社で上手くいかなくて悩んでいる自分。目の前の上手くいかないことに落ち込んでいる自分。80年やそこらの人生に不安を感じている自分。
こんな自分は、宇宙から見たらどう見えるのかな…と考えると、また不思議な感覚になります。私は文系出身の人間なので、理系的な難しいことはほとんど分からないんですが、物理や数学には哲学的な魅力がありますよね。
自分を決定する力
ちょっと話はそれてしまいましたが、この本の重要なテーマのひとつには、「人間は自分で自分を決定する力を持っている」というものがあります。実はこれは、コーチングの原則でもあります。
クライアントは自分で自分を決めることができるという信念と前提に立っているから、力強い人間の本質を引き出すことができるのがコーチングなのです。人はそれぞれ置かれた環境も、資質も、価値観も異なります。あの人がこの方法でうまくいったからといって、自分もそうとは限らない。あの人にとっての幸せが、自分にとっても幸せとは限らない。
何が正解かなんて誰にも分からない人生を、自分で考えて、責任を持って選び決めることができる。そういう生き方のサポートをしているんです。人目気にしいさんも当然、自覚的な生き方を選ぶ力を持っています。不安でも自信がなくても、いつからでも始められると信じています。
Open Heart Question
宇宙から自分を見るとどんな風に見えそうですか?
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